CALM

伊袂つうの個人日記。

河原野アパラ先生とのお話。

あと一週間程度しか残らぬブログにレビュー記事を載せるというのは些か非情な感じもしますが、140文字を何度連投すれば終わるのか分からなくなってしまったのでこちらにしたためることにしました。

先日、河原野アパラ先生とお話をする機会があって。しみじみ思ったことがありました。
先生とは2年ほどのお付き合いとなりますが今月最新シリーズの完結をされて各書店さんから一斉配信が完了したところで。お疲れ様でしたトークをしつつ作品の感想などをお伝えしていたのですが。

ああ、もう同人屋さんじゃないなぁっていうのが一番印象強く残りました。
2年前は「ちょっと変わったテイストの同人誌を書く作家さん」だったんですが(失礼!)、心持ちも冷静な分析や構成も商業に添うように考えられている。色んな工夫をしての最新シリーズ「性転姦染」なんだろうなって思いました。

ネタバレしない程度にお話すると、女体化が感染するっていうタイトルそのままのお話で(そこで全て完結してるのって地味に凄いこと)、先生の「おっぱい愛」を充分に感じる主人公のルーシー(性転~は黒髪のリリィのダブルヒロインだと思っていますが)がクズくて元気いっぱい。出てくる人たち大体ゆるい。個人的に先生と年齢が近いということもあってか合間に差し込まれるネタも拾える。ノリよくライトで程よくエロもあり、まさに男性向きだなぁという印象でした。

前作「期間限定!女体化男子」のときは少女マンガのような甘酸っぱさもあったのですが、今回は「考えなくていい」のもいい(褒めてる)。
ジャンルによって致命的でもありますが、ファンタジーなこのジャンルにおいてはシリアス要素というのは殆ど必要ないと思っていますし、男性向きならば「こまけぇこたぁいいんだよ、脱げよやれよ」くらいの唐突さも必要なんだろうなと思うので「メモリを消費せずに楽しめる」のもまたひとつの魅力だなと思うのです。

ただ!そういうと単なる内容の薄い話ってことに落ち着いてしまうのですがそうじゃないんですよね。今回はキャラクターが今まで以上にしっかり立っている感じがして。こんなこと言ってはなんですが、過去作品はなんと言うか綺麗にまとまってるがゆえに(登場キャラクター数は同じくらいなのに)主人公とお相手だけの世界、というか。広がりがあまり感じられなかったなと今回の作品を見て思いました。
二次創作が自然発生しそうなキャラの濃厚さです。笑
これが「オリジナル作品」ってことなんだろうなって思いました。プロの仕事なんだなぁって。


気になった方は、こちらからどうぞ。

book.dmm.com

 

冒頭、もう同人屋さんじゃないんだな、の話ですが。
作品を作るにあたって「ニーズに合わせる」ということを念頭に置く、わかりやすさ、訴求力をどう高めるかを考える。
ただ漫画を描くのではない、その他付帯要因に考えをめぐらす。
楽しく描くのが同人であれば、楽しませるために描くのが商業なんだなと。
かき上げることの大変さは同人も商業もそれほど差はないと思っていますが、その中で自己満足に終わるか、一歩向こうを見るか、その境目が同人と商業の分かれ目なんだろうなという。語弊があるかもしれませんが同人が下、商業が上、ということを言いたいのではありません…どちらも楽しみ方があるし、どう楽しむかも個人の自由でもあるので…!

ただ純粋に「走り出した作品にきちんと明確な終わりを用意すること」の凄さに感動もしたんです。シンプルなことだけど実はとても難しい。まず動くこと、そしてやりきること、これ以上に結果に結びつくことはない。
そういうことを今回お話していたなかで教えていただきました。

恐らくこの先、私自身が以前のようにイベントに出たり本を出したりすることはないと思うのですが、それでも何か事を成すときにそれらを意識するかしないかではきっと大きく結果が変わってくる。

叶えたいならやれ。

これに尽きるなと心底思いました。


これからも河原野先生がパワーアップし続け、精力的に活動されますように。
そして創作される皆様の活動が今以上に充実しますように。